積み上がる自己資本と現金同等物
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- 当社は低い配当性向により、自己資本を積み上げ続けています。この状態を継続するならば、株主価値の向上を実現するために、当社は高いリターンの見込める投資を継続する必要があります。
- (出所:QUICK ASTRA MANAGERより弊社作成)
- しかし、資産サイドに目を向けると、当社の積み上がった自己資本は、主として現金同等物として積み上がっていることが判ります。すなわち、当社は資産を十分に活用せず、現金同等物というリターンの低い資産をため込んでいるに過ぎないといえます。
- さらに、前述のように当社は十分な現金同等物を保有しているにもかかわらず、過去10年の間に2回も、株式の(潜在的な)希薄化を伴う資金調達を実施しました。当社の保有する現金同等物の金額を鑑みれば、2013年、2018年に株式の希薄化を伴う資金調達を実施する必要があったのか甚だ疑問であり、当社は株主を軽視しているといわざるを得ません。
- (出所:QUICK ASTRA MANAGER、2013年6月3日及び2018年8月28日のプレスリリースより弊社作成)
- 上記資金調達の発表直後、希薄化の影響から株価は急落しました。必要性が乏しい資金調達によって、株価は希薄化率よりも大きく下落しています。特に、自己株式の処分を発表した際は、資金調達を実施した瞬間に株式の希薄化が確定するため下落率が大きくなっています(下左図)。
- (出所:QUICK ASTRA MANAGER、2013年6月3日及び2018年8月28日のプレスリリースより弊社作成)
- 当社の経営陣には、過剰な現金同等物を株主に還元した上で、二度とこのような株主価値を毀損するような資金調達をしないことを強く要望します。